『労働基準監督署(ろうどうきじゅんかんとくしょ)』、通称『労基署(ろうきしょ)』。
ブラック企業に務めていたらいつか本当に労基署が来たりするのかななんて思っていたら本当に来ちゃいました。
労基署がきた経緯と、私が働くブラック企業の対応を書き記します。
Contents
会社の実情
実際に私が務める会社に労基署の職員の方が来たのですが、私の務める会社はこんな感じのブラック企業でした。『こんな感じで労基署来るんだな』と参考にしていたければ幸いです。
なお、この記事ではブラック企業がどのように労基署に対応したのかを書くため、ブラックっぷりは最低限に留めておきます。
長時間残業
ブラック企業といえばコレ!と真っ先に挙がる項目に長時間の残業がありますね。私の会社の場合もご多分に漏れず、慢性的に残業になっていました。
基本的な労働時間は月曜日から木曜日が7時〜夜中の3時まで。
金曜日は7時〜翌朝6時。
土日は休みをもらっていましたが、バンバン会社から連絡が来ていました。
さらに日曜は私用を終わらせてから会社に行き、3〜6時間ほど仕事。
週の労働時間は軽く100時間超え。
平日はシャワーを浴びに家に戻るくらいで、終末は寝て過ごすだけの毎日でした。
(寝ててもラインで仕事の連絡がどんどん来ていましたが)休日出勤も度々あり、昼夜問わず常に会社に電気がついている状態でした。
近隣住民からは怪しがられ、苦情の連絡が来たりすることもままありました。
タイムカードが勝手に押される
勤怠の管理はかなりずさんでした。タイムカードは勝手に押され、毎日嘘の労働時間ばかりが記録されていきました。
真面目に帰った時間でタイムカードを襲うもんなら翌日起こられ、退勤時間を定時に修正させられます。休日出勤も同様で、押しても修正させられました。
残業代未払い
過度な残業&ずさんな勤怠管理とくればこれです。残業代未払い。
そもそも社長には未払いという意識はなく、『残業代を払えない中小企業はたくさんあるから』という理由で残業代を払いませんでした。『残業代未払い』というよりは『残業というシステムはウチにはない!』といった具合です。
労基署がきた!
2015年の春先。先の会社の実情をふまえ、のらりくらいりと近隣住民からの苦情をやりすごし、一人また一人と会社を去っていく社員を見送ったある日、突如労基署の職員の方が来ました!
調査理由
労基署は務めていた(あるいは務めている)社員の通報、親族の通報などで来るようです。今回ワタシが務める会社には近隣住民から、異常な労働時間が通報されて訪れたようです。
通報のみで、証拠が予め提出されていたわけではないので、簡単な調査でした。
調査内容
調査は軽いもので、会社の残業に対する調査用のアンケートの配布と、後日タイムカードの提出を指示するという2点でした。調査アンケートは労基署の職員が社員を数名無作為に選んでアンケートをわたすという方法でした。
私以外にアンケートを受け取った人間が社長の息のかかった社員であったため、私以外からは虚偽の回答しかあつまらないことが予想されたので、私も残業はないよという虚偽の回答をしました。
(アンケートは該当者に一斉にわたされたので、お互いがアンケートは誰が受け取ったか顔を合わせる状態でした)タイムカードを改ざん
後日提出するよう指示をされていたタイムカードは、会社主導ですべて修正されました。修正内容は2通りありました。
定時退社に修正
まず会社はほとんどの社員の退社時間を定時に変更。大前提として通常は残業はほとんどないんだよ、というタイムカードを作っていました。残業ないんだったら毎日朝方まで会社までいないよ!なんて思いながら見ていました。
ちょっとは残業してる風に修正
会社は、残業ゼロでは怪しまれると考えたのか、残業をちょっとしているふうな箇所をタイムカードにいくつか書き加えました。ずる賢いと言うか、愚かしいと言うか。
改ざん書類提出
そんなこんなで過度な残業に繋がりそうなタイムカードなどはバッチリ修正され、労基署に提出されました。労基署が来てから数ヶ月間、社長はビクついていましたが、喉元過ぎれば熱さ忘れるといった感じで、結局もとのブラックっぷりを発揮しています。
労基署が来たイベントは何事も無く過ぎていきました。
なぜ会社は労基署の調査をパスしたのか?
労基署が来たのに会社はなんでお咎め無し、問題なくやり過ごせたのか、考察です。通報だけで証拠がない
労基署の職員の方が来たきっかけは、近隣住民からの苦情でした。そこで具体的な内容までわかれば、更に突っ込んだ調査となったんでしょうかが、通報のみだけだったのでアンケート調査、タイムカード提出のみとなったようです。
アンケートから残業を示す回答を得られなかった
社員にとったアンケートに残業や長時間労働を示す回答が得られなかったので、更に踏み込んだ調査に発展しなかったことが考えられます。労基署が来て面白い体験ができたぞ!と思いましたが、会社がダメージをウケるようなことは一切ありませんでした。
労基署問題が一段落して
労基署への書類提出など対応が一段落した頃、社長から呼び出され残業代についての話がありました。労基署に提出した書類上、残業代を支払ったことにしてあるから、残業代を受け取ったという受領印を書類に押してほしいということ。
残業代を支払ったら夏のボーナスは一切出ないということ。
こりゃ脅しだろと思いながらも、やむなく判を押しました。
おわり
こんな感じで労基署の調査が入り、会社は書類を改ざんして乗り切っていました。会社を役所や弁護士に訴える場合、どうしても確たる証拠が必要となりますので、今いるブラック企業に一矢報いてやる!という方は証拠集めを頑張ってください。