人件費がかかりすぎていて利益を圧迫している、と。
本当にそうなのか?実際に会社の状況を数値にして調べてみました。
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売上高人件費率
まずは売上高人件費率を見てみましょう。売上高人件費率は、会社の売上に対する人件費の割合です。
給与や福利厚生、賞与など社員にかかる費用ですね。
比率が大きければ人件費の負担が大きいですし、比率が小さければ人件費の負担が小さいと言えます。
売上高人件費率算出
それでは私の務めるブラック企業の比率を算出しています。算出方法は以下の式に当てはめます。
売上高人件費率(%)=人件費÷売上×100
ただ、実際の私の会社の人件費や売上を入れるのはちょっとあぶなそうなので、計算した結果だけ記します。売上高人件費率は27%でした。
労働分配率
次いで労働分配比率です。労働分配率は会社の利益(付加価値)にたいする人件費の割合です。
通常、労働分配率は40〜60%と言われていますね。
労働分配率算出<
先の売上高人件費率と同様、労働分配比率も計算してみます。計算式は以下のとおりです。
労働分配率(%)=人件費÷付加価値×100
(付加価値は売上額×利益率です)
ここでも細かい数値は公表を控えて、結果だけ記します。労働分配率は32%でした。
指標と照らし合わせてみる 1
売上高人件費率と労働分配比率がでましたので、この数値を指標と比較します。ちなみに私の務めるブラック企業は自社製品を製造して販売するECサイトを運営しています。
経済誌等で言われている、私の務めるブラック企業のような業種の大まかな比率は以下のとおりです。
・売上高人件費率:25.2% ・労働比率分配比率:65.5%
私の務める会社はこうなります。
・売上高人件費率:27.2% ・労働比率分配比率:32.8%
数値からわかること 1
指標と比べると会社の利益に対する人件費の割合が非常に低いです。過度に仕事を詰め込み、残業代を支払わずに多くの仕事をした結果、このような数値になったんですね。
これでも社長は人件費がかかりすぎていると詰め寄ってきます。
指標と照らし合わせてみる 2
人件費がかかりすぎている、と言ってくる前年の数値はこんな感じでした。・売上高人件費率:21.2% ・労働比率分配比率:26.4%
数値からわかること 1
先程の数値と比べて、更に会社の利益に対する人件費の割合が非常に低くなりました。ちなみに売上はほぼ横ばい状態でしたので、寝ずに働いてどうにかカバーしていた状態ですね。
なぜ人件費があがったのか?
人件費がかかりすぎている、と社長は言ってきますが、社員の給料はほとんど上がっていません。社員は前年と比べて基本給が2000円ほどしか上がっていませんので、そこまで圧迫するほどのものではありません。
社長の友達の給与が高すぎる
人件費を圧迫しているのはコチラ、社長のお友達の給料です。社長が入社させたいと連れてきた友達が2人いるのですが、給料は私の務める会社の部長クラス。
業界にいたわけでも、特別仕事ができるわけでもないのですが、お友達価格として部長クラスの給料です。
そりゃ人件費が圧迫しますよね〜。
それでも労働分配比率は異様に低いので、私含めた下々の社員に還元されていないってことですよね。
おわり
社長が見せてきた会社の数値を元に、今回は色々と算出してみました。これでも人件費が高いと言うんですから、どうしようもないですよね。